期待値:戦略が機能するかを示す1つの数字
勝率はトレーダーが最も口にし、最も信じすぎる数字です。10回中7回勝っても損をする戦略もあれば、10回中4回勝ってすべてを賄う戦略もあります。
それを決めるのが期待値です。勝率、平均勝ち額、平均負け額を1つの数字にまとめ、各トレードが実際にいくらの価値かを見せます。
著者 Synemer公開日 2026年10月19日更新日 2026年10月19日
期待値が測るもの
期待値は、戦略が1トレードあたり平均で稼ぐ、または失う額です。1回のトレード、1週間、1か月の結果ではありません。同じセットアップを何度も繰り返したときの長期的な平均です。
シンプルな問いに答えます。このセットアップを取るたびに、いくら得られる見込みか。答えがプラスなら、戦略は時間とともに報います。マイナスなら、どれだけ規律を守っても機能しません。
この区別は重要です。期待値がプラスの戦略は連敗に耐えられます。期待値がマイナスの戦略は、直前のトレードがどれほど良く感じても、最終的に口座を奪います。
期待値の計算式
一般的な式は、期待値 = (勝率 x 平均勝ち額) - (負け率 x 平均負け額) です。勝率と負け率は合計1になる小数です。
勝率60%、平均勝ち額$300、平均負け額$200のセットアップなら、期待値は (0.60 x 300) - (0.40 x 200)、つまり180 - 80で、1トレードあたり$100です。
Rで書くこともできます。平均勝ちが1.5R、平均負けが1Rなら、同じ勝率60%のセットアップは (0.60 x 1.5) - (0.40 x 1)、1トレードあたり0.5Rです。Rで考えると、ポジションサイズの異なる戦略を比較できます。
どちらの式もスプレッドシートは要りません。必要なのは2つの平均で、それは覚えているトレードだけでなく、すべてのトレードを記録して初めて存在します。
利益が出る計算例
勝率45%、平均勝ち額$650、平均負け額$250のブレイクアウトのセットアップを考えます。期待値は (0.45 x 650) - (0.55 x 250)、つまり292.50 - 137.50で、1トレードあたり$155です。
100トレードなら手数料前でおよそ$15,500です。負ける回数のほうが多いのに利益が出ます。勝ちが負けのほぼ3倍だからです。
勝率が何を隠すかに注目してください。45%だけを見ると失敗する戦略に聞こえます。報酬比が加われば強い戦略です。
勝率70%でも負ける戦略
次に勝率70%のセットアップを考えます。平均勝ち額$80、平均負け額$350です。期待値は (0.70 x 80) - (0.30 x 350)、つまり56 - 105で、1トレードあたり-$49です。
このトレーダーはほとんどの場合に当たっているのに、100トレードで約$4,900を失います。早く利確し、負けを伸ばす。これが高い勝率と負ける口座を作る最も一般的な方法です。
平均が目の前にあれば、日誌はこれを明確に示します。平均がなければ、緑のトレードの記憶が習慣を残します。
勝率だけで誤解する理由
勝率は当たる頻度を言います。期待値は当たることが報われるかを言います。高い勝率とマイナスの期待値を同時に持つ戦略はあり、市場はあなたが何回正しかったかを気にしません。
ばらつきもあります。1トレード$100のプラス期待値は、すべてのトレードが$100稼ぐという意味ではありません。良い戦略でも10連敗は起こり、そこで多くの口座が死にます。
だからポジションサイズと期待値はセットです。優位性がプラスでもリスクが大きすぎれば口座は吹き飛びます。平均が機能する前に連敗が来るからです。
日誌で測る方法
すでにある数字から始めます。トレード数、勝ち数、平均勝ち額、平均負け額です。口座全体だけでなく、戦略ごと、銘柄ごと、セッションごとに期待値を計算します。
比較する前に戦略を分けます。1つの混ぜた数字は、稼ぐセットアップと静かに口座を削るセットアップを隠します。ロングとショート、異なる市場環境でも同じです。
毎月見直し、30トレード未満に基づく数字は疑います。小さなサンプルは消える刺激的な数字を生みます。計画を変える前にサンプルを育てます。
期待値がプラスなら、そのセットアップを取り続けるのが仕事です。マイナスなら、自信では直りません。セットアップを変えるか、トレードをやめます。
